食品添加物の表示方法

表示の対象となる食品添加物

指定添加物 … 厚生労働大臣によって指定がされた添加物
https://www.ffcr.or.jp/tenka/list/post-11.html

既存添加物 … 食品添加物のうち、今まで習慣的に使われてきたもの
https://www.ffcr.or.jp/tenka/list/post-12.html

※消除予定添加物名簿の作成に係る既存添加物の販売等調査について(周知依頼)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188410.html

天然香料 … 動植物より得られる物又はその混合物で、食品の着香の目的で使用される添加物
https://www.ffcr.or.jp/tenka/list/post-13.html

一般食品添加物 … 一般に食品として飲食に供されている物であって添加物として使用されるもの
https://www.ffcr.or.jp/tenka/list/post-14.html

食品への食品添加物表示の原則

食品添加物の食品への表示は原則として物質名によって行われます。
しかし別途下記のような規定が定められています。

「簡略名・類別名」

一般に広く知られた名称をもつ添加物の場合には、
物質名の代わりに簡略名・類別名での記載が可能です。

例 「L-アスコルビン酸ナトリウム」→「ビタミンC」、「炭酸水素ナトリウム」→「重曹」


「用途名」

食品添加物の主な用途である下記の8用途に該当する場合には、物質名に加えて用途名を
記載しなければなりません。
甘味料、着色料、保存料、糊料(増粘剤、安定剤、ゲル化剤)、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、
防かび剤

例  甘味料(キシリトール)、着色料(クチナシ色素)

また、同一の用途で2種以上の物質を使用する場合は用途名の後に括弧を付して、
使用した物質名を重量順に記載する必要があります。
例  甘味料(ソルビトール、キシリトール)

なお、次の場合は用途名の表示を省略することができる。
1: 着色料で物質名に「色」の文字がある場合
  例 「着色料(アナトー)」→「アナトー色素」
2: 増粘剤の目的で増粘多糖類を2種類以上使用した場合
  例 「増粘剤(キサンタンガム、グァーガム)」→「増粘多糖類」
  ただし、安定剤、ゲル化剤、糊料として使用の場合は用途名を記載する必要があります。


「一括名」

下記の14種類に該当する場合には、物質名の代わりに種類を示す一括名での記載が可能です。
イーストフード、ガムベース、かんすい、苦味料、酵素、光沢剤、香料、酸味料、
チューインガム軟化剤、調味料、豆腐用凝固剤、乳化剤、pH調整剤、膨張剤

例  「クエン酸」→「酸味料」、「カフェイン」→「苦味料」、「レシチン」→「乳化剤」

「調味料」に関しては、アミノ酸のみから構成される場合は調味料(アミノ酸)、
核酸のみから構成される場合は調味料(核酸)、有機酸のみから構成される場合は調味料
(有機酸)、無機塩のみから構成される場合にあつては調味料(無機塩)と記載してください。
主として構成される成分をもって「調味料(○○等)」と記載します。

また、クエン酸カリウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸カルシウム、
グルタミン酸マグネシウム、水酸化カリウムは使用目的を問わず
物質名で表示することとなっており、一括名による表示は出来ません。


「表示の省略」

加工助剤、キャリーオーバー又は栄養強化の目的で使用されるものについては、
食品添加物の表示を省略することができます。

●加工助剤

(定義)食品の加工の際に使用されるが、
(1)完成前に除去されるもの
(2)その食品に通常含まれる成分に変えられ、その量を明らかに増加されるものではないもの
(3)食品に含まれる量が少なく、その成分による影響を食品に及ぼさないもの

例  プロセスチーズ製造時に炭酸水素ナトリウム(重曹)を用いたとしても、
   加熱融解の工程で大部分が分解してしまい最終食品への残存はごく微量になる場合には
   加工助剤に該当

●キャリーオーバー

(定義)原材料の加工の際に使用されるが、次にその原材料を用いて製造される食品には
使用されず、その食品中には原材料から持ち越された添加物が効果を発揮することができる
量より少ない量しか含まれていないもの。

例  せんべいの味付け用に、安息香酸(保存料)を使用したしょうゆを用いたとしても、
   当該添加物が最終食品であるせんべいの保存料として効果を持たない場合には
   キャリーオーバーに該当

●栄養強化

例  ビタミンA、β-カロテン等のビタミン類
   塩化カルシウム、乳酸鉄等のミネラル類
   L-アスパラギン酸ナトリウム、L―バリン等のアミノ酸類
※ 農産物漬物のように、品目によっては省略が認められない場合もあります。

特定原材料等由来の添加物を使用した食品の表示

(1) 物質名で表示している場合、「物質名(○○由来)」と表示
  例「カゼインNa(乳由来)」

(2) 一括名表示で表示する場合、「一括名(○○由来)」と表示
  例「乳化剤(卵由来)」
  ・調味料においては「調味料(○○:△△由来)」と表示
  例「調味料(アミノ酸等:いか由来)」

(3) 用途名と併せて表示しなければならない場合、「用途名(物質名:○○由来)」と表示
  例「ゲル化剤(ペクチン:りんご由来)」

(4) 複数の特定原材料を含む場合、特定原材料間の区切り記号は「・」となります。
  例「乳化剤(卵・乳・大豆由来)」

また、アレルギー表示を原材料名の末尾に一括表示する場合は、上記①~④の表示は行わず、
一括表示にまとめる必要があります。

例「小麦粉、糖類、ショートニング、食塩、イースト、乳化剤(大豆由来)、イーストフード、
カゼインNa(乳由来)、V.C」

「小麦粉、糖類、ショートニング、食塩、イースト、乳化剤、イーストフード、カゼインNa、
V.C、(一部に乳・大豆を含む)」

また、加工助剤、キャリーオーバー又は栄養強化の目的で食品添加物の表示を免除されている
ものであっても、特定原材料に由来するものである場合は、特定原材料を含む旨を記載する
必要があります。

参考URL
消費者庁:「食品表示基準について」より、
1 義務表示事項 (4) 添加物
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_24206_04.pdf#page=5
別添 添加物1-1 ~ 2-3
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_24206_02.pdf
別添 アレルゲンを含む食品に関する表示
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_24206_03.pdf